サトシナカモトとはビットコインの論文の著者であり、そのリファレンス実装であるビットコインコアを作ったことで知られる人物である。
しかし、サトシナカモトは仮名との説が強い。
論文を公開し、非中央集権型で動く通貨の仕組みを設計し、最初の運用を行った天才の正体をめぐった様々な憶測を見て行こう
はじめに
サトシナカモトは2008年にサイファーパンクと言う暗号技術の活動家のメーリングリスト(metzdowd.com)にビットコイン論文を公開しました。
サトシナカモトはbitcoin.orgと言うサイトを立ち上げ、そこで有志たちと開発をしていましたが、2010年の中頃にはGavin Andresenにソースコードを引き渡す。
そして2010年の12月頃を最後に彼の活動は見られなくなった。
日本人ではない!?
名前は完全な日本人であるが、以下の2点で日本人の可能性は低くなっている。
1つ、流暢な英語でかつ日本語が一切出てこないこと、イギリスなまりの英語を使うこと。
2つ、サトシナカモトがコミュニティーで活動する時間からの推測では、投稿がない時間帯を睡眠時間と仮定すると、北米、南米にて活動しているのではないか。
もちろん、北米で生活をするイギリス流の言い回しができる暗号技術者は居るだろうが、日本人名を持つものは限りなく少ないことを考えると、外国人の誰かが仮名で活動しているのでは、という推測を立てるのが自然だ。
ここではサトシナカモトかもしれないと言われている4名を紹介する。
ニック サボ
Nick Szabo(ニック サボ)(Nicholas Szabo)はコンピューターサイエンティスト、法学者そしてデジタル通貨における暗号技術者としての肩書きを持つアメリカ人でUniversidad Francisco Marroquínで名誉教授としてある。
電子決算の分野で、個人同士の決算を設計しており、スマートコントラクトと言う言葉はサボによって作られた。
またビットゴールドと言うを論文をビットコイン論文よりも前に公開しており、この論文は非中央集権化された通貨の仕組みをデザインしており、その内容はサトシナカモトのビットコイン論文と内容・言い回しも含め、とてもよく似ているという。
さらにこれほど似ているにもかかわらず、ビットコイン論文の引用にはなぜかビットゴールドは載せられていない
ただしサボ本人はサトシナカモトであることを否定している。
ドリアン ナカモト
カリフォルニアに住む日系アメリカ人のDorian Nakamoto、出生名はSatoshi Nakamoto
システムエンジニアと言う経歴は持つ者の、ビットコインの生み親か!?というインタビューではビットコインそのものすら何も知らないときっぱり否定している。
ハル ヒィニー
Hal Finneyは元ビットコインの暗号技術の先駆者であり、サトシナカモトを除けば一番最初にビットコインを実際に使った人物である。
ドリアン・ナカモトの近所に住んでいたとされる。
2009年にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断される。その頃からサトシナカモトがオンライン上での活動が減ってきているのは偶然なのであろうか。
2014年の夏に彼は病気が進行し他界している。
クレイグ ライト
Craig Steven Wrightはオーストラリアのコンピューターサイエンティストであり実業家である。
自分でサトシナカモトと言ったり、撤回したり、再び公言したりしている。
それだけ聞くと嘘っぽいが、そんなことはない。
GizmodoとWiredの共同調査によるとクレイグがビットコインの発明者である可能性が高い
以前ブログポストに自分がサトシナカモトだと投稿(現在このドメインはなくなっている)している。ビットコインの実装人物でしか知りえない最初のブロックからの報酬コインを証拠として、各メディアに主張したとされている。
彼はDave Kleimanと言うアメリカのコンピューター法医学の専門家(2013年に死亡)とシドニーでデジタル通貨の開発に当たったのではないかとされている。またブログポストの中で特別なグループ(exceptional groupと表現)との関わりを示唆しており、それ故に公言する機会はまだだとし、さらにサトシナカモトとう仮名を使うことで研究に没頭できると言っている。
wikiでも説明されているが、ハッキングされたクレイグのメールの内容には、サトシナカモトはKleimanとの共同仮名と語られていると言う。
本名で公開しない理由
暗号技術で非中央集権型の通貨を作ることは、
その中を根底から変えることにつながり、その責任は計り知れない。既得権益からのプレッシャーも考えられるかもしれない。
あるいは、サトシナカモトと言う実際の開発者を動かす黒幕が存在するのかもしれない。
もしくは社会的な功績よりも、単純により仮想通貨が普及する未来を創造した時に、一人の人間の存在は隠してしまった方が、カリスマ性もでて普及に貢献すると考えた結果かもしれない
はたまた、単純にその方がメディアのプレスに邪魔されずにすむし面白そうだと考えたのかもしれない
お金には全く困っておらず、名誉欲もなくただただ世の中の変わっていく様を見てみたいのかもしれない。
世の中を良い方向に変えられると強く信じる物を作り出したが、同時にひょっとしたら悪い方向にも進まないとは言い切れないリスクは有る。ビットコインのマイニングにようる恩恵は得ようと思えば大きく得られる。実名で万が一叩かれるよりは、匿名である程度の利益を得て、あとは見守り存在に徹しよう、と考えたのかもしれない。
実は、利益には全く興味がなく、既存通貨の問題を憂い、ただただ健全な通貨の普及を祈っているだけかもしれない。
まとめ
上にあげた人の誰かがサトシナカモトなのかもしれないし、
上にあげた人が組んでサトシナカモトを作りあげたのかもしれない。地理的関係から想像すると、サボとハルが組んだのかもしれないし、ブログで言っている様にクレイグとDave Kleimanが組んだのが真実かもしれない。
いずれにせよ
サトシナカモトが誰なのか決定的にはわかっていない。
ただ誰かが仮名で仮想通貨の仕組みを発明し、普及させた
と言う事実はわかっている。
今わかっている情報でもっともらしいのはクレイグのような
に思えるがわからない。
クレイグもサボも今も活動している人物なので、
今後の彼らの動向には注目していきたい。